UCIエリート男子 レースレポート DAY2(日曜日)

投稿者: | 2018年11月18日

日本初のUCIクラス1として開催された2018年Raphaスーパークロス野辺山、第2日目。世界各国の世界選手権代表の座を狙う出場選手にとっては、より重要度が増すクラス1レース。ここで獲得できるUCIポイントで、続くレースでより前でスタートを切ることができるようになります。

前日優勝のアンソニー・クラーク(スクイッド・スクアッド)、2位のエミル・ヘケレ(GALAXY CYKLOSVEC STEVENS)、5位のギャリー・ミルバーン(MAAP ENVE CX Team)らにとってはもちろん、小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)、竹之内悠(東洋フレーム)といった国内選手は、3週後に迫った全日本選手権も見据えたレースに。

100名の選手が出走したレースは前日同様、ミルバーンのホールショットで幕開け。1周目を終える頃には、クラーク、ヘケレ、前田、ミルバーンの4名が先行し、小坂、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、沢田時(ブリヂストンアンカー)、ケビン・ブラッドフォード(SET/Coaching.com)の4名パックがそれを追う展開に。

中盤、クラークがひとり先頭パックから抜け出しに成功し、単独一人旅になる場面もあったものの、昨日2位のヘケレがペースを刻み、さらにクラークにミスもあったことで再びひとつに。4名に戻った先頭パックでは代わる代わるに各選手が先頭に立つ落ち着かないレースが繰り広げられました。

この上げ下げに対応できなかったのはミルバーン。3名に絞られた先頭パックでの争いはさらに激しさを増したものの、脱落者はなく3名のまま最終周回へ。

そしてレースが動いたのは、最終周のシケイン越え。3番手につけていたクラークがシケインで一気に前に出て前田をパス。この動きでヘケレにも迫ろうとしたクラークは、ヘケレの後輪に接触。ほぼ同時にバイクにマウントした両者でしたが、ヘケレは痛恨のチェーン落ち。ここでレースはクラークと前田の2名に絞られます。

前週の幕張、そして昨日のレースで圧倒的な走りを見せたクラーク。会場を支配するクラーク強しの雰囲気を、前日3位と気を吐いた前田が払拭します。マッチレースは二人のまま、最終コーナーへ。

クラークの後ろから左のラインをとってスプリントを開始した前田がクラークにならび、そしてパス。60分に及ぶ争いが、ゴール5m前で決するという劇的なスプリント決戦に会場が大いに湧きました。前田は自身の初のUCIクラス1での勝利という大金星を自らの足で掴み取りました。

日本人初のシクロクロスUCIクラス1での勝利を遂げた前田は、表彰台上でこう語ってくれました。

「アンソニーがスプリントに強いのはわかっていたんですが、自分が勝つにもスプリントしか(チャンスが)なかったので、かけてみました。野辺山では今まで一回も勝ったことがなく、表彰台の一番高いところからみる風景は最高だなって思いました」

UCIエリート男子結果(11月18日)
1位:前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)57’30”
2位:アンソニー・クラーク(スクイッド・スクアッド)+1″
3位:エミル・ヘケレ(GALAXY CYKLOSVEC STEVENS) +8″
4位:ギャリー・ミルバーン(MAAP ENVE CX Team) +51″
5位:ケビン・ブラッドフォード(SET/Coaching.com)+’56”
6位:小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)+1’08”

カテゴリー: 2018