「6回目にしてようやく勝てた。6回目でようやくだ」。2013年から3年連続で来日しているザック・マクドナルド(ストリームラインインシュランスサービス)が、ウィリーでフィニッシュ後にそう笑いました。Raphaスーパークロス野辺山の日曜日UCI男子エリートレースを振り返ります。
引き続き好天に恵まれたUCIレース2日目。下がり始めた気温に慌ててジャケットを着込む観客たちに見守られながら、89名がスタートを切りました。前日(土曜日)の優勝者で全日本チャンピオンの竹之内悠(ベランクラシック・エコイ)は膝の違和感があったため翌週の全日本選手権を見据えてDNS。
レースは中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム)や横山航太(シマノレーシング)、山本幸平(トレックファクトリーレーシング)が積極的にリードする形で動き始めます。精鋭選手で構成された先頭パックの中からまず抜け出したのは「攻めのレースをして出し切って終わりたかったので、レース前半に抜け出した時はそのまま行ってしまおうと思った」という小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)でした。
小坂光を追う横山や山本、ベン・ベルデン(Wcupスタンパー)の中からレース中盤に抜け出したのはマクドナルド。泥区間で一気に仕掛けたマクドナルドが小坂光に追いつき、しばらく先頭2名で周回をこなします。
「急激に気分が悪くなった昨日よりもずっと体調が良くて、標高の高さを感じることなく周りの状況をしっかり確認しながら走ることが出来た。ライバルを一気に突き放すようなアタックはできないものの、テクニカルなセクションで前に出て、少しずつギャップを広げるスマートな走りに徹した」というマクドナルドが残り2周を残して先行を開始。バニーホップでシケインを越え、小坂光を置き去りにしたマクドナルドが最終周回を単独で駆け抜けました。
最後は観客とハイタッチし、ウィリーでフィニッシュしたマクドナルド。「初年度(2013年)は風邪をひいて全く話にならず、2年目(2014年)はメカトラでチャンスを失い、3年目の今年つまり6回目の挑戦でようやく勝てて凄く嬉しい」と咳き込みながら笑顔を浮かべます。出場3年目で野辺山の優勝カウベルを手にしました。
山本を振り切った小坂光は小さくガッツポーズして2番手でフィニッシュ。「舗装路ではマクドナルド選手がそれほど速いと感じなかったものの、テクニックで差がついてしまった。後ろから山本幸平選手が近づいているのは知っていましたが、意地でも負けたくないという気持ちで走りました。野辺山で表彰台に上ることが出来て、全日本選手権を前に納得いく走りが出来たので良かった」と小坂光は語っています。
UCI 男子エリートリザルト
1位 ザック・マクドナルド(ストリームラインインシュランスサービス)59’03”
2位 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス) +08”
3位 山本幸平(トレックファクトリーレーシング) +13”
4位 横山航太(シマノレーシング) +33”
5位 沢田時(ブリヂストンアンカー) +1’13”