UCIエリート男子 レースレポート Day2(日曜日)

投稿者: | 2016年11月27日

Raphaスーパークロス野辺山の歴史の中で最も熾烈だったと言っても過言ではない先頭争い。ギャリー・ミルバーン(Speedvagen MAAP)と沢田時(ブリヂストンアンカー)の最終スプリントに持ち込まれた日曜日のUCIエリート男子レースのレースレポート。

青空も広がった午前中から打って変わって、お昼時から天候は下り坂。午後になって降り始めた雨に包まれた気温6度の滝沢牧場で、エリート男子と女子のUCIレースが繰り広げられました。78名がスタートしたエリート男子レースは、前日に精彩を欠いた全日本チャンピオンの竹之内悠(東洋フレーム)のホールショットで幕開けます。しかしコンディションの上がらない竹之内は2周目に入ると徐々に失速。2週間後の全日本選手権に備え、中盤にレースを降りました。

舗装路を除いて全面的に泥に覆われたコースで強さを見せたのは、「泥好き」を公言している18歳のキャメロン・ベアード(Cannondale/Cyclocrossworld.com)でした。若いベアードの勢いある走りには前日2位の沢田時(ブリヂストンアンカー)だけが反応。数周回にわたって先頭を走った2名にはケヴィン・ブラッドフォード(SET/Coaching.com)とギャリー・ミルバーン(Speedvagen MAAP)がジョインします。その10秒ほど後ろに丸山厚(BOMA/ROND)や横山航太(シマノレーシング)、前田公平(弱虫ペダルサイクリング)が位置した一方で、2日連続勝利を目指した小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)は後方に沈んでしまいます。後半にかけて追い上げた小坂は5位でレースを終えています。

どの選手もバイクに付着した泥を取り除くためほぼ毎周回ピットエリアでバイク交換。そのためピットではチームのスタッフが慌ただしく走り回り、受け取ったバイクを洗浄し、次の周回までにコンディションの良いバイクを用意するというもう一つの熾烈なレースが展開されました。

ミルバーンがパンクで遅れ、続いて前半から飛ばしたベアードが勢いをなくすと先頭は沢田とブラッドフォードの2名に。「金曜日に日本に到着したので疲れもあり、昨日(土曜日)はコースチェックの気持ちで走った(結果は8位)」というブラッドフォードがアタックを仕掛けて先行を図りますが、約5秒まで開いたタイム差は決定的なものにはならず、両者譲らないまま最終周回へ。

するとそこにパンクで遅れていたミルバーンが復帰し、逆にブラッドフォードが脱落しました。「レース中盤にパンクしてしまい、妻のバイクをスペアとして走ったもののサイズが小さくてポジションを落としてしまった。でも自分のバイクに再び乗り換えてからはペースを戻し、寒さで手の感覚がなくなりながらもなんとか先頭争いに間に合ってよかった」と、ミルバーンは先頭復帰までの険しい道のりを振り返っています。

沢田先頭で最終周回の後半に差し掛かると、ミルバーンがシケイン手前の直線で一気に先頭に出ます。しかし沢田は遅れず食らいついて抜き返し、繰り返される180度ターンでワンミスが命取りになる緊迫のバトルが展開。最終コーナーを曲がって、2人のスプリントが始まりました。

アウト側に膨らんでスプリントした沢田と、イン側から加速したミルバーン。重馬場を踏み抜いたミルバーンが沢田を突き放し、先頭で1時間3分04秒の長丁場をガッツポーズで締めくくりました。「気温30度の真夏のオーストラリアから来たので気温差にショックを受けた。オーストラリアではこんな泥のレースを走る機会がないけど、自分にとっては良いコンディションだった」と、接戦を制した勝者は語ります。

「最終周回のテクニカルなセクションで勝負が決まらなかったので、彼(沢田)の後ろで力を溜めながら最後の勝負に備えた。シケイン手前のストレートで右側から一気に仕掛けて先頭に出たけど、最後から2つ目のコーナーで前輪を滑らせてしまって先頭を奪われてしまった。でも最終コーナーでイン側の草が残っているラインを突いて加速したんだ」。前日5位のミルバーンが泥を味方につけ、沢田とブラッドフォードを従えて表彰台の真ん中に上がりました。

「やれることはすべてやりました」と語るのは2日連続2位の沢田。「(昨晩)寝言で『今日は勝つ』と言っていたほど勝ちたかった。諦めなければチャンスが回ってくることを昨日学んだので、それを生かせたと思います」。海外勢に敗れはしたものの、日本勢の中では横山を45秒、小坂を1分09秒引き離す力走。全日本選手権に向けて改めて調子の良さを示しました。


UCIエリート男子  結果 Day2(日曜日)
1位 ギャリー・ミルバーン(Speedvagen MAAP)      1h03’04”
2位 沢田時(ブリヂストンアンカー)             +02”
3位 ケヴィン・ブラッドフォード(SET/Coaching.com)    +08”
4位 横山航太(シマノレーシング)              +47”
5位 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)        +1’11”
6位 キャメロン・ベアード(Cannondale/Cyclocrossworld.com)+1’36”
7位 前田公平(弱虫ペダルサイクリング)          +2’42”
8位 丸山厚(BOMA/ROND)                +2’55”
9位 織田聖(弱虫ペダルサイクリング)           +3’20”
10位 門田基志(TEAM GIANT)              +4’13”

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